ライブってなんだったっけ

私の中で消化できなかったのでずっと書けなかったんだけども。3/29になんばハッチで見たライブは十分に楽しむことができなかった。音楽に身を任せてても、笑ってても、全然爽快感ないの。心の奥の方に重たいものが居座っていて、ずっと楽しみにしていたのに残念で仕方がなかった。誕生日会のしょっぱなに、ケーキを顔面に叩きつけられた感じ。そんなことされたことないけどさ。でもそうなったら、きっとその後にどんだけみんなが私をお祝いしてくれて、プレゼントくれても心の底から嬉しいって思えないと思うんだよね。なんじゃこの幼稚な例え。ちょっと的外れな気もするしな。まぁ、ライブというものについて、ここ何日かボンヤリ考えてしまったわけで。頭で考えるものではないと知りながら。で、自分の中で整理するためにここに書いておこうと思う。異論とかいっぱいある人もいるだろうし、私の考えもまた偏っているのかもしれないけれど、今日の日記は自分の為だけに書くことにする。のだ。全然面白くない内容だし、不快に感じる人も多いと思うので、イヤな予感がする方はココまでで。




イヤな思いをするためにお金を払う人間などいやしないと思う。少なくとも私は全ての時間を楽しむために会場に行った。そして事故に遭った。そう、事故だと思うことにした。表現の仕方は人それぞれだと思うけれど、私は人に罵声を浴びせることがパフォーマンスだとは思わない。あの煽りがなければ、もっと純粋に彼らの音楽を楽しめたと思う。素直に音楽を聞き入れられたと思う。客に対してではなく、一緒にステージに上がる人たちに対して、一緒に作り上げるスタッフに対しての思いやりはないのかなぁと思った。『ケンカを売られた』のではなくて、『売ったケンカを買った人がいた』だけの話だ。髪を振り乱し、叫ぶように歌い、ギターを掻き鳴らし、下着を見せてステージの上をのたうち回る。これはパフォーマンスだと思う。彼らの表現だと思う。ここには全く異論はない。むしろ鍵盤の音は好きだったし、彼女の声も好きな部類だ。ただ、彼女の奇行にあっけに取られたのは事実だし、最前列にいた私はいつ何されるかわからないという恐怖心から純粋に音楽だけに集中することはできなかった。ケガしてもいいと思える程、彼らに入れ込むことはあの時間だけでは無理だったから。


一貫して流れていた、戸惑い。無難に終わらせたいが為だけにおとなしく見守る雰囲気。「もう少しで終わるとこだったのに余計なヤジ飛ばしやがって」的な苛立ち。引っ込みの付かなくなった人間を見る、あの居心地の悪さ。そして困惑を通り越して明らかに不快な顔で走り回る主催者達。お客の前であんな顔見せたらいけない、と思う。あくまでも最後まで出演者の側で通して欲しかった。「あなた達まで迷惑して、何がしたかったの?」という思いが、主催者達の顔を見てこみ上げてきた。無視したんじゃない。聞いてなかったんじゃない。『アホみたいな顔しやがって』、そう、アホ面を晒すという反応をしただけだ。万人受けすることをやっていないというのは彼らが一番よくわかっていることなんじゃないかなぁ。そして、目の前にいるその殆どは、自分達の名前で集めた人間じゃないことも。私は彼らの煽りや罵倒が不快だったんじゃない。あの本気でケンカしちゃうような距離感のなさが気持ち悪かったんだ。その後の楽しみまで奪われることがわかっていたから不快だったんだ。私の気持ちが完全に凍ってしまったのは、『僕とアンタは同じや。仲直りのキスしよーや。』と言った直後に、顔に唾を吐きかけた瞬間だった。コレさえなければ、私はここまで暗い気持ちにはならなかったと思う。ヤジを飛ばす客もどうかと思う。でも、煽ったのは誰?


こんな不幸な出会いがあるのかと、ライブで沈んだのは初めてだった。衝撃を受けたという点では彼らの思惑通りなのかもしれない。でも、私は二度とミドリというバンドを見ることはないと思う。彼らを見ても自分が求めるものは見れないよ、ということを私は知ってしまった。いい大人だもの、心地よくないものは避けることが一番楽だと知っている。彼らが出演するライブに行くことがあれば、きっと私は外で待ってるだろう。私一人が彼らを受け入れられなくても、それはそれで大した問題ではないしね。快楽を得るために苦痛に耐えることは、やぶさかではない。でも、快楽以上にダメージが大きい場合、最後に残るのは後悔だけだ。それを学んだ。


私にとってのライブは、ただひたすらに心地よいものであればいい。たくさんのものを放つ側と、受け取る側がガッツリ一つになるような、双方のありがとうがループする会場のあの感じ。馴れ合いなんかじゃない。媚びてるのとも違う。音楽が聞きたいだけなら、CDで十分だ。ライブの映像を見たって決して味わうことのできない感覚、それに恋焦がれて都合つけて、お金かけて、心弾ませ会場を目指すんだ。「あー楽しかった」それが私にとって最高のライブだ。