Kishidan 10th Anniversary Special 氣志團万博2006”極東NEVER LAND”〜麗舞!麗舞!麗舞!〜


二日参戦は正直後悔していた。その場の勢いで両日申し込んじゃったけども。その後続々発表される関西方面でのライブ。ウルフルズのヤッサ(忘れてた)、RUSH BALL怒髪天の京都・神戸・・・どっちか一日でもよかったんじゃないの?とか思ったり。色んなライブ行く中で氣志團じゃなくてもよかったんじゃないの?とまで思ったり。結局当日までその思いがずっと心の隅にあった。物販に並んでみるも購買意欲はわかず、お約束のパンフとキャンスパとのコラボT(単純に好みだったから)のみ購入。CINE DE 極東で見たかった映像を見れてちょっと盛り上がったけど、何だこの胸のモヤモヤは?ソワソワしたままご飯食べて会場へ。初日、今まで聞きたかった330もやった。久々の127コールもやった。10年(目)の集大成に相応しいであろう内容だったと思う。でも、でもだ。最後に降った雨が体を冷やしたように、私の気持ちは冷めたままだった。ぼんやりと、傍観している自分がいた。一緒に楽しんでる会場の空気になじめない自分がいた。もう、帰りたかった。初めて見たDVDが木更津の万博のものだったけれど、あの時のような胸の高鳴りはなかった。あぁ、もう終わりなんだなぁと、楽しかった長いお祭りが終わってしまったような、何とも言えない気持ちで雨の中会場を後にした。

翌日、乗り物とかには興味がなかったので、CINE DE 極東をもう一度見てから特に期待もしていなかった氣志團秘宝館へ。入ってすぐのところに飾られていた初代の学ランの前で、立ち尽くした。何ともたどたどしい縫い目の各色のテープに、胸がギューッとなった。そして、引き込まれるように中に入った。そこには私の知らない頃からの氣志團の歴史があった。何をわかった気になっていたんだろう。名前が世に知れ渡ってから好きになった自分は、氣志團の歴史のなんと浅い部分しか見ていなかったんだろう。そんなことを思い知らされる内容だった。チラシの裏に書きなぐられた團長の原稿。歌詞。手書きのステッカー。白黒のフライヤー。みんなが楽しそうに見ている中で、バカみたいだけど泣きそうになった。何で氣志團を好きになったのか。何でそれを忘れてしまったのか。恐らくはその特異な外見で必要以上に辛酸を嘗めてきたであろう彼らの、それこそ水面下で激しく足をばたつかせながらも軽やかに、時に下品にスイスイ水面を動き回る彼らの姿に惚れ込んだのではなかったか(妄想だけど)。ライブを重ね、メディアへの露出も幾度も経験し、場慣れした態度や楽曲に満足できなくなったのはいつ頃からだろう。背負うものが大きくなったのだと、それっぽい理由を勝手につけて納得しようとしだしたのはいつからか。当たり前だ。何も変わらない人なんていないし、物なんてない。本当に時間を止めたがっていたのは自分だったのではないか。キラキラした時間を思い出させてくれる彼らの時折見せる拙さに恋焦がれ、それを手放したくなかっただけだったのではないか。秘宝館の出口付近に張りめぐらされた初期のフライヤーの前で、また立ち尽くした。こんなにたくさんのバンドの中で、今でも当時と同じようにライブハウスで活動を続けているバンドもいれば、最近聞かなくなったバンドもいる。反対に、氣志團よりももっと売れているバンドもいれば華々しく解散したバンドもいた。10年だ。自分に置き換えてみてもどれだけの出来事があったかを考えればその長さがよくわかる。10年。私が知っているのはたかだか3年足らずのものだ。

二日目のGIGはもう胸がいっぱいだった。今でこそGIGで聞けたらラッキーな昔の曲も、どれもこれも氣志團が今の地位まで這い上がってくるために戦い抜いてきた勝負曲たちだ。よくないわけがない。『何て言ったらいいかわかんないや』とテンパってる團長を「ブリやがって(←サイテー)」と、それさえも演出だと思っていた自分が悲しい。例えそうであったとしても、もういいや。氣志團が好きだ。例え團長が毎回同じところで音を外してしまったとしても。一曲丸々音を外したまま歌いきってしまったとしても。そんなことはたいしたことじゃない(こともない)。この人はいるべくしてこの場所に立っていると思った。雨の中の127コールで涙が止まらなかった。よかった、かっぱ着てて。この人は病気じゃないかと思われるところだったよ。付き合い方は変わっても、多分ずっと離れられないんだろうなぁと思う。雨の中みた景色は忘れられそうにありません。


気取った人の言葉なら聞き流してしまうんだけど、彼らなら胡散臭すぎて逆に信じてみたくなる。


始まりは、コレだった。だからこそ、團長に恥をかかすようなマネだけはしないでくれ、男闘呼塾。これ以上の醜態は見たくない。氣志團以外の要因で心を乱されるのはゴメンだ。