一年で一番大切な日

本日9月19日は私の大切な犬、「ハシノスケ」の命日で。今年でもう5年が経つ。日々、思い出して涙することは無くなったけれど、未だにあの日を思い出すと胸が苦しくなる。

私の大切なハシノスケは、9年と7ヶ月の短い命だった。最期まで、小さな身体で懸命に生きた彼を、私は心の底から愛してるし、感謝してる。私は本当に幸せだった。幸せ。

最後の日の朝を、今でも鮮明に覚えている。まるで私を送り出すように、せがんで玄関の外に出て待っていたハシノスケ。苦しそうなのに、一瞬、とても澄んだ目をして、まるで別れの挨拶のように思えた。私の心臓がドクンと大きく鳴って、息が止まりそうだった。この日はどうしても休むことができない私を、ポンと後押ししてくれたように思えた。私もこの時、本当言うと覚悟を決めていたように思う。最期を看取るのが怖かったのかもしれない。いや、怖かったんだ。そして逃げた。

死ぬまでの4ヶ月間、きっと彼はずっとこんな胸の痛みと戦って、私達にお別れをさせてくれたんだと思う。彼はめいっぱい頑張って、私達に後悔させることの無いように、看病させてくれたんだと思う。前の日の晩、苦しそうに咳をしていたのに、元気だった頃のように私の顔をなめてくれた。そして、お別れをするように、一つ一つの部屋をまわっていた。動物は自分の死期を悟るっていうし、当然ハシノスケにもわかってたんじゃないかなぁ。

それにしても短すぎた。私の一番大切な存在が、この日アッサリと消えてしまった。何物にも変えられない、一番大切なハシノスケ。心や思い出に残るなんて言うけれど、そう言う問題じゃない。私の、全てだったのに。家族以上の存在だったのに。素直に自分の気持ち全てを表現できる、唯一の存在だったのに。こんなに大事だと思える存在は、他には無かったのに。

生きているという事はすごいことだと思う。私はバカだからすぐにそれを忘れてしまって、大きな出来事によってそれに気付かされる。出会いは本当に大切にしなければ。いなくなってからどんなに深く思ったって、それでは遅すぎるのだから。

今も、悲しい思いは悲しいままだ。癒されることなんて多分一生無いんだと思う。それでいいと思う。これを書きながらも涙が止まらない。今夜はとっぷりと、悲しみに浸りたい。


一年に一度のこの日は、ハシノスケの為にある。これからも。