8/24、26 blast!@大阪厚生年金会館大ホール


薄暗いステージの中央に、一台のスネアドラム。暗転したかと思うと乾いたドラムのソロで静かに始まる「ボレロ」。ただ一点、照らされたライトの中にいるのは唯一の日本人奏者、石川直。一つ、また一つと音が重なりあい、やがては爆発的な演奏を繰り広げるのですよ!!!

凄いもの観ちゃった感でいっぱいになった「blast!」。24日は3階席から観ていて、マスゲームのような動きは鳥肌モノ。管楽器、打楽器とダンサー(ビジュアルアンサンブル)、それぞれにテーマをもった「色」、ライティング、それら全てが集結して作られるステージは圧巻で、2時間の公演はあっという間に終わってしまった。所狭しと動き回り、楽器が飛ぶ!旗が飛ぶ!人が飛ぶ!もう、この感動は言葉なんかでは言い表せない。特に前半、2人の打楽器奏者 石川直、デビッド・コックスの技がぶつかり合う「バッテリー・バトル」は、さながら「ドラムの喧嘩祭り」、笑いが止まらない。もうね、ワクワクドキドキ興奮すると、人は半笑いになるんですよ(私だけか?)。ニヤニヤです。ヤバイです。その後ブラックライトでステージ上にスティックが浮かび上がり。左右から2人ずつスネアドラムが増えて総勢10人横並びでの演奏になるんだけど、波のように動くバチさばきには、ただただ薄笑いで←キモイ 最後には頭上から降りてくる打楽器群を乱打!まさに乱れ打ち!乱れ打ちながら一糸乱れぬこのパフォーマンス。なんじゃこれーっ!で、もう、笑うしかない。そのままクライマックスの「メディア」まで一気に持っていって前半終了。

深い疲労感。友人とため息つきながら「ステキやねぇ…」などとウットリしていると凄い勢いでみんな階段を駆け降りていく。「何これ」「トイレやろ」「エライ取合いやなぁ」などとのんきに話していたら「ロビーで石川君が演奏するんよ」と隣のオバ様が教えてくださる。いーやーっ!そりゃぁそうだ、殆ど誰も残っていないんだもの、トイレな訳ない!と駆け降りるも(走ったらいけませぬ)時既に遅し。見えるわけ無いやん。それでなくても3階だし。何やら楽しそうな笑い声。やさぐれて2階通路のイスに腰掛けると、アラ、見えるじゃない!人の足の間から!石川さんが!!!多分周りから見たら変質者だったと思う。自信ある。イスに寝そべるように人の足の間を覗きこむ。眼光鋭い石川さんの顔がたまに見える。唇を噛む。ムキーッ!と思いながら諦めて席に戻る。どうやら最後もあるらしいので次は負けませぬ、と心に誓う。

後半も凄い迫力であっという間に過ぎ去り、通路に降りてきて観客の間で演奏したり、より身近に感じる内容になっていた。律儀にも3階にも来てくれたよ!一人だけど。手拍子しながらエンディング。客席の間を通って演奏者はみなロビーへ。さて、参りますわよと飛び出したら階段のところでなんとか見える位置をキープでき。さっきのメンバー(パーカッション5人)が最後のパフォーマンスを披露し終わり。その後メンバーというか主に石川さんに群がる人人人!気軽にサインしたり握手したり強面なのにいい人っぷり発揮!もうアイドルみたい。ジャニーズみたいよ、コレ。知らんけども。

もらったフライヤーの中にステキ情報発見!ということで26日昼公演に再度観に。だってたまたま休み取ってたし。この日の席は1階の後方ブロック、センターの2列目。こんないい席いいんですか???ってな場所で、石川さんの表情までもよく見えて。全体の動きは24日に十分堪能したのでこの日は石川さんに釘付け。仕方がない、ステキなのだから。ヤブ睨みなお顔で一心にドラム叩いてたかと思うとチラリと客席の方を見て「どうだい」とばかりに悪い顔で笑う。まぁ外国人に比べると、表情が乏しいと言うかなんかちょっと地味っぽいんだけど(演奏は最高なんだけど)、そこがまたフジヤマ・サムライ・ワンダホー!な感じでいいんだよなぁ(意味不明)。そう、サムライっぽいのよね。浪人っぽい。

もともと石川さんを知ったのは、今年の初めにテレビ朝日の「ぽかぽか地球家族」という番組を見て。中学生の時にお父様の仕事の都合で渡米し、英語が話せなくてポツンとしていたところ、ある先生がドラムと引き合せてくれたそうで。それからはドラムに夢中になり、数々の賞を受賞し、現在、唯一の日本人奏者としてblast!に参加・…そこまでが内容だったかと。その頃の映像に比べ、たかだか数ヶ月なのに、石川さんは更に鋭さを増したように見えた。髪形もスーパーサイヤ人のようになっていた。誉めているんですが、これでも。

話しが逸れたけれど。休憩とは名ばかりの休憩時間にやっていたのは、パーカッション5人による木のイス、ポリバケツ等を用いたパフォーマンスで、メンバー紹介などをはさんで「地獄のメリーゴーランド」なる技を披露。凄いの。コレ、凄いの。並んでいる椅子を叩きながらドンドン人が入れ替わり、途中馬飛びしたり柱を蹴ったりと、何がなにやらわかりませんといった感じなのに全くぶつかることなくグルグル回るという!凄い!凄すぎる!こんな凄いのみんな見えるところでやってよ、って感じだった。

まぁ、頭を棒でガンガンに打ちつけられたくらいの衝撃と感動を味わい、blast!を堪能した二日間でした。震えるね。身も心も震えがくるね。もうね、この凄さは私の文章力では表現不可能。何書いてもウソ臭くなる。今に始まったことではないが。観ればわかる。観た方がいい!本物を。

何よりショックだったのは、石川さんの相方、デビッド・コックス氏(推定年齢36歳)が、実は石川さん(30歳)より年下の27歳であったこと。←ソレかよ