好きなもの

常々「好きなもの」は人と人とを引きつけ合うと思っていたけれど、それはホンの一部が重なり合うだけで、価値観とか本質が違うのはどうしようもないんだなぁと実感する出来事があった。好きなものを共有することで、お互いが理解者であるような気になっていたけれど、それは勘違いだったと気付いて少し疲れた。

きっと、円みたいなものなんだと思う。赤い私と青いあなたの一部が重なって、紫の部分を共有する。長く付き合っていけば重なる面積も広くなってくるんだろうけれど、「好きなもの」に対してしか関わらなければ、お互いを理解するまでには至らないんだと感じた。というか、価値観が全く違うのであれば、それ以上の部分での重なりは求めてはいけないのだと思った。

私はよく、人との距離のとり方を誤る。警戒して離れすぎていたり、急速に近寄りすぎてしまったり。そして相手をも疲れさせてしまう。長く生きてきても、まだそんなことさえ満足にできない自分に、ちょっと辛くなった。