11/16 BEAT CRUSADERS@なんばHatch

あぁ、ライブ久々楽しかった!ヒダカさん何か痩せすぎだけど、ま、いっか。やっぱいいわ、ライブ…と思ってたのに。のに。最後の最後に酷いことになって、悲しい気持ちで会場を後にした。ライブで受けたイヤな思いは、ライブで癒されるんだなぁと、この日、2階からキラキラ輝くオッサン達を見ながら思ってたのに。やっぱりライブはもういいかなぁ・・・と思う結果になってしまった。

何となく、何となくだけど、ライブの途中からちょっと嫌な予感がないことはなかった。お芋さんのMCの時に『ブッチャーズ先輩の時に外に出ている人が多過ぎ!聞いてなかったヤツは絶対後悔すると思う、むしろしろ!』みたいなことを結構息巻いて話してたんだけど、ソレを遮るように話題を変えたヒダカ氏。そんな話、ソデにいる先輩達に聞かせたくないのかなぁくらいにしか思ってなかったんだけど、多分色々思うところあったのを押さえ込んでたんだろうと、後になって思った。本編最後のZENITH 、終盤のクボタ氏とマシータ氏の緊張感溢れる最後の掛け合い中、一瞬音が無くなる息を呑むあの場面で響いた女子の話し声。あぁ・・・台無しだよ・・・と何ともやるせ無い気持ちに。曲知らない人が混ざってるんだろうなぁと思う瞬間。変なとこで起こるダイブやら、何とも萎える。曲知らないで来るなら、その場の空気を壊すことだけはしないってな謙虚な気持ちで楽しまないといけないと思う。それがアーティストへの、他のファンへの最低限の配慮だと思うんだけども。何とも締りの悪いままステージを去るメンバー。


予定調和的に迎えられたアンコールでのセッション。やるんでしょ?って雰囲気が充満してた会場。白い長い布(嵐さんの?)をクルクル首に巻いたりして不自然なくらいにはしゃぐヒダカ氏。矢沢永吉氏の歌を歌って投げてみたり。『端っこ持って投げると自分のタオルが自分のとこに帰ってくるよ』というタロウ氏に『そんなYAZAWA講座はいらん!』とか言いつつ、『オレ達が楽しければそれでいい!』と言い切って先輩方を迎え入れ、『若い頃に聞き狂ってた』CUREを。自分の尊敬する人たちと一緒にやれることを、本当に楽しんでいてくれたのならいいんだけど・・・と、高いテンションに変な胸騒ぎが。あー、この時点で私はもう疑っていたのかもな、楽しいライブの結末を。


当たり前のようにその場を離れず、これまた予定調和な感じで始まったダブルアンコ。本当にもっと聞かせて!という熱いモノが客側に無かったから、逆に出てきてビックリした。『あのまま終わってたらキレイだったんだけど』というマシータ氏の前置きの後、『まだやりたいという大阪の気持ちを感じたから出てきた』みたいなことをタロウ氏。『がめつい』だの何だの言いながらも『キリト見た?みんなの前で一人でやっちゃうんだから。俺(あたい?)だって一人だったらビビルよ。大阪は面白いもの持ってるから、みんなで何か起こしなよ。』と、いつになく正論をのたまう。今思えばお芋さんもタロウ氏も真打登場!とかならないように配慮してくれてたのかなぁ・・・なんて。そしてJAPANESE GIRL から最後の DAY AFTER DAY へ。曲の終盤でヒダカ氏の顔スレスレに水の入ったペットボトルが、スローモーションのように弧を描いてステージへ。演奏は続けられたけれど、明らかにヒダカ氏の表情が一瞬にして変わった。素早くペットボトルを拾い、丹念に床を拭くスタッフ。熱を失った音が義務的に最後まで演奏され、終了。『ダメだよ、ペットボトルとか、携帯のカメラとか。自分たちで作っていかないと。』と静かに淡々と話すヒダカ氏。ここで終わっていれば、もしかしたらあの最後通告は引き出さなかったのかもしれない。「ごめんなさーい」「もうやりませーん」と会場から上がる茶化したような声に、もう一度話し出す。『だから大きいとこヤなんだよ、マナーが御座なりになるから。ここでは二度とやらないと思うよ。』冷たい薄笑いを浮かべて切り捨てるかのように去るヒダカ氏。いたたまれないように小さくなったタロウ氏の背中。何だかもう泣きたくなった。あんなに楽しかったのになぁ。『大阪は第二の故郷』とまで言ってたのに。先輩方の手前、我慢してたんだろうなぁ、途中までは。対バン相手に持ち時間を一時間ずつ渡し、いつもと違うSEでの登場。広いステージでクルクル回りながらギターを弾くタロウ氏、いつもにも増して奇妙に華麗に激しく舞うお芋さん、鬼気迫るヒダカ氏のギター。まっすぐ突き上げられたマシータ氏のスティック、何も語らず黙々と演奏していたクボタ氏。いつもと違う感が満載だったのに。特別な日になってもよかったライブだったのに。なぜ、なぜ、がグルグルしたまま会場を後にした。


最近は素直にライブを楽しめなくなっていて、お客の種類がイヤで実際に足を運ばなくなったアーティストもいる。ライブに行っていなかった訳ではないけれどあまり書き残したいこともなくて、この日記もずっと開けることも無かった。好きな人たちを見に行っても、心の底から何かを感じることができなくなっていた。音楽を聞くことから遠のいてライブハウスに行かなくなるのは自然なことだけど、ただ単にライブに行くのがイヤっていうのは凄く悲しいことだなぁと思っていたので、この日の出来事には本当に打ちのめされた。最近は極力2階席を取ってイヤなモノは見ないようにしていたけれど、そういう考えではダメだということを、ヒダカ氏に突きつけられたような気がした。結局私も「自分だけがよければいい」側の人間だと思い知った。どうしよう。今はただ、悲しい。